高脂血症 アルコール

高脂血症とアルコール

アルコールにより代謝が影響をうける脂質はHDLコレステロールです。コレステロールの主成分は動脈硬化を促進するLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と動脈硬化の予防に働くHDLコレステロール(善玉コレステロール)があります。

 

HDLコレステロールはアルコール摂取量の増加に伴って増加します。適量の飲酒(男性で1日日本酒換算1合ぐらい)であれば、血圧を上げずにHDLコレステロールが増加するため、脳血管障害・虚血性心疾患の発生率を低下させるといわれています。これが「適度の飲酒が寿命を延ばす」と言われるようになった所以です。

 

しかし一方で常習飲酒は血圧の上昇をもたらし、飲酒中の摂取カロリーオーバーや夜間に高摂取されるカロリーバランス、前述したアルコールの影響などによって高トリグリセリド血症や肥満を引き起こす場合もあるため、「適度の飲酒」が却って生活習慣病を促進してしまう可能性もあります。


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またアルコールがHDLコレステロールに及ぼす作用は、年齢や性別によって異なり個人差も大きいことが知られています。さらに長期間の大量飲酒者では、ときに100mg/dlを超えるような著しい高HDLコレステロール血症を認め、角膜輪や虚血性心疾患を合併することもあります。したがって長期大量飲酒者での高HDLコレステロール血症は、適度の飲酒時の動脈硬化を予防するHDLコレステロールの増加とは、異なるものとして考える必要があります。

 

アルコールが血清HDLコレステロールを増加させる機序として、HDLの合成・分泌の亢進、HDLの分解の低下などが考えられています。

 

高脂血症の治療は、食事療法・運動療法など生活習慣の改善が基本で、十分な効果が得られないようであれば薬物療法を併用していきます。飲酒習慣がある場合は、飲酒時におつまみとして取る摂取エネルギーを減らしたり、単にカロリーオーバーによる増加ではなく、上述したアルコールによる脂質代謝異常もからんでくるため、飲酒量のコントロールも行います。一日あたり男性は日本酒換算1合程度、女性はその半量までが、適度な飲酒量の目安とされています。


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